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旅情なき食日誌   新ひだか町編

2023.11.23

text by キクタマサユキ

10月29日(日)新ひだか滞在初日

 昼過ぎの便で新千歳空港着。極めて好天。手配しておいたレンタカーの到着を待ちつつ空港ラウンジ内にある自販機でカツサンドと缶コーヒー(BOSS)。借り受けた軽自動車(HONDA・N-BOX)で支笏湖畔のレストランへ。何の気なしにカツカレーをオーダーしたのだが、同行者に「さっきカツサンド食ってたじゃん」と言われるまでそのことを全く意識していなかった。夜は友人が滞在している新冠の山の家で自炊。メニューはジンギスカンとチンゲンサイの炒め物。ぶつ切りレモンを突っ込んだコロナビール。しめは日清カップヌードル(醤油味)と缶ビール(サッポロクラシック)×2。就寝午前4時。

10月30日(月)滞在二日目

 移動の疲れもあり、ゆっくり寝るつもりでいたのだが朝8時前に空腹で目が覚めてしまう。朝食は山の家の庭にある東屋でハムエッグマフィン(自作)とインスタントコーヒー2杯(ネスカフェゴールドブレンド)。昼飯は静内にある「美食の館 天政」にてかけそばとミニカツ丼(またもやカツ!)のセットをチョイス。その後イオン静内店内の「ミスタードーナツ」でコーヒーとポン・デ・リングを購入し、近くの海岸堤防へ。遮るもののない海原の雄大さと優しい夕日のマリアージュにしばし呆然としつつそれはそれとしてポン・デ・リングにかじりつく。夜は山の家に戻って自炊。ペペロンチーノと豚肉の生姜焼きとコーンポタージュ(クノール)という反マリアージュ的メニュー。デザートは新冠在住の革職人N氏お手製のマロングラッセ。合わせたワインは千歳ワイナリーの「北ワインKERNER2014」。一本空けて見事に沈没。就寝時間不明。

10月31日(火)滞在三日目

 恐れていた通り今日も朝8時前に空腹で目が覚めてしまう。「朝飯はいらない」という友人たちを冷ややかに眺めながらホットドッグ(自作)を2ケたいらげる。昼は東静内の食堂「ドライブインあさり浜」にてポークチャップ(チョップの誤植にあらず)定食。濃い目のケチャップソースに宿る店の秘伝。夜は無性にラーメンが食べたくなったので「ラーメン山岡家 新ひだか店」へ駆け込み、プレミアム塩とんこつラーメン(大盛り)+ネギマヨチャーシュー丼を食べ至福的満足を得る。山の家に戻って入眠導入剤としての缶ビール(サッポロクラシック)×2。柑橘系の果物を渇望するも叶わず。就寝午前3時。

11月1日(水)滞在四日目・最終日

 今日は空腹ではなく馬が鳴く声(ヒヒーン)で目が覚めた。サラブレッドの町新冠的目覚め。昨日は買い出しに行かなかったこともあり山の家にめぼしい食材が何もなかったから、朝食はおとなしく牛乳のみにて済ます。昼飯は静内のカレー屋「SPICE TIGER」にて煮込みチキンと野菜のスープカレー&エゾ鹿のグリル。エゾ鹿をその野生ごと味わえるような高純度のグリルに興奮す。汗をふきふき店をあとにし、友人がひいきにしているという「syzygy cafe」まで車を飛ばす。ここではこの四日間のバランス皆無な飲食ぶりにさぞ辟易しているであろう我が胃腸を労わる意味で、普段は飲まないハーブティ(レモングラス)を。正直、諸々沁みた。帰りの飛行機の時間まで少し余裕があったので、優駿記念館で寄り道。売店のソフトクリームの誘惑に耐え、待ち構えていたようにして降り出した雨の中を国道235号を通って新千歳空港へと向かう。

 今回の旅をアテンドしてくれた友人によれば、新ひだかにはまだまだディープかつ魅惑的な飲食店が多数存在するとのことなので、またの来道を期する次第。