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2025 #9 from the poets

2025.02.03

2025年1月 今年最初の放送は番組MCである 佐藤広大から Kさん(御徒町凧)に詩や歌詞を書く事について質問したい!という流れで始まりました。

佐藤広大:今回は 改めてKさん(御徒町)のお話を深堀っていきたい!という事で、改めて経歴をお話していただいても良いですか?

御徒町凧 『1977年生まれ 一応 東京ですね生まれたのは、所謂 東の東京に生まれて、凄い小さい時に下町、足立区とか葛飾区とかで育って、で ずっと わちゃわちゃ やってこの年にまでなったっていう感じですね。

高校時代にサッカー部の先輩として直太朗に出会って、当時から一緒に二人で曲を作ったりとかしてて、自分自身もバンドやったりもしてたんですけど、そのバンドは ほどなくして僕が25~6才の時かな?バンド自体は活動しなくなって。ずっと10代の頃から詩は書いていたので、詩を書きながら舞台、脚本のようなものを書いたり、演出とかやったり、一応 プロデューサー みたいな肩書もあるんですけど、それはあまり当人としても しっくり きてない。言うなれば、プロデューサーって一番世の中で胡散臭い仕事だと思っていて

それこそ小学校の頃、児童会長とかやってたの。高校も生徒会長やったりとか。振り返ってみるとプロデューサーみたいな仕事とあんまり変わらなくて「皆で楽しい事やろうよ!もっとこうした方がいいんじゃない?」っていう事を、たぶん性格の図々しさから 先に提案する っていうだけの事で、だからあんまり世に言う 敏腕プロデューサー みたいな仕事ぶりって言うのは、ほぼしていなくて 周りに凄い優秀な人がいて物事が進んでいくっていう事はあるけど。とはいえそう言うのも、今子供もいて毎朝 子供を保育園に運んだりとか、日常を生きてくうえ でやらなくちゃいけない事 ってあるじゃない?それの延長。詩以外の事は。人間としての営み。詩はそういう人間としての営みとはちょっと違うかけ離れたところで当然 繋がっては いるんだけど、ずっと(詩を)書いているので、自分は詩人という自覚を持って詩を書こうと思って、10代の頃から詩作を続けてるっていうだけ』

広大:とはいえ森山直太朗さんの名曲達を手がけている訳じゃないですか?森山直太朗さん以外のアーティストの楽曲だって関わっている訳ですよね?

御徒町凧 『そこそこやってますね。』

広大:瑛人くんも?

御徒町凧 『瑛人とも一緒に曲を作るし、作ったり作んなかったりだけど。で、なんていうか【作詞】に関しては【作詞】って基本 歌い手さん がいるじゃない?で同じ詩のメディアなんだけど、書き詩と同じ韻文だけれどちょっと違うなと思うのは、〖歌詞は歌われて初めて成り立つ〗んだよね、空気に触れてる瞬間がその作品が成り立つ瞬間。だから制作途中で「歌詞書けました」って渡したりするじゃない?厳密にはその時にはまだ完成してないっていう実感。たぶん設計図とかに近いんじゃないかな?構造物ってその場所に建って初めて完成で図面上で完成したとは やっぱり言い切れない、そういう感じに近いんじゃないかなっていう気はする。

だから【作詞】は基本〖誰が歌うか〗って事を凄い重要視してる、で歌い手によってキャラクターも違うし表現力も違うし、同じ歌詞だろうが同じ曲だろうが別物になるから、だからちゃんとその人が歌うべき世界観とか その人が歌ってしっくりくるもの っていうのを凄い意識するタイプの作詞家なのね。作詞っていう事でいうと。そこは やっぱり学生時代に森山直太朗のような人と出会い、ずっとやっていたから、凄い発達したと思う。自分で言うのもなんだけど。でそれは先輩の作詞家の 松井五郎さん にも「御徒町君、直太朗君とやれてる事、凄く恵まれてる事だと思うよ、その経験があることで君の作詞のスペックって成長できたのかもね」って言われて、自覚はなかったけど「まあそうかもな」と思って』

広大:やっぱあれですか?その人が歌う事をイメージして書くって事ですか?

御徒町凧 『別に自分は皆が言うような 大したもんじゃない って自覚はあるんだけれど、でも何か意識してる事があるとすると、ポップスじゃない?例えば我々が普段 作詞作曲するものって。二つ考え方があると思っていて、縦軸と横軸でよく考えるんだけど、横軸っていうのは今みんなが欲しているもの。流行り・廃り。こういうトラックが流行っているとか、こういう曲調が流行ってるとか こういうテーマがウケる とか。時代によって必ずある、それとは違う縦軸が楽曲の中にはあるな と思っていて、縦軸って何かって言うと、基本的に普遍的な事。変わらないもの。基本人間の事しか分からないけど。人間が古くから人間という生命・生物として感じる感受性の部分。これは何万年経ってもそんなに変わらないものだと思っていて、流行り・廃りの事は、あまりよく分からないから、縦軸に訴求するものを凄く意識して書いてるな っていうのは実感としてあって、だから時間が経ってから聞かれたりするっていうはまさにその証明だと思っていて、10年前のこの曲が今聞かれるんだ、て事があるのは そりゃそうだよ縦軸で考えて書いてるんだから 10年なんて瞬間みたいなもの っていう事はもしかしてあるのかもしれないな』

(図にするとこんな感じでしょうか。普遍的の対義語を調べると「特殊」でした)

広大:例えば時代背景が分かるようなワードってあんまりい入れないですか?例えば「LINE」とか「i phone」だったりとか、その時代のトレンドっぽいワードは入れなかったりします?

御徒町凧 『入れる。ただ意識的には入れない。この言葉使った方が良いな、とか、この言葉は避けた方が良いなっていうのって、やっぱり基本的にはエゴじゃない?作り手の。面白いもんでエゴって劣化するんだよね。だからそこは出来るだけ考えずに、自然な流れで出てくるならLINEだろうがポケベルだろうが言葉の流れ、フローの方を大事にしてる。』

そして番組恒例、詩の朗読。 新年一発目は 御徒町凧:僕はまだ生きていて

佐藤広大:詩のお話を伺った後に またこういった朗読があると ぐっ とくるものがありますね!

1月いっぱいまでの道産詩の応募。とても多くの応募となりました、皆様ありがとうございました!道産詩賞は一体、誰が受賞するのか?結果が楽しみですね。

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from the poets は 毎月第3木曜日 22:00~ 佐藤広大の「from R&B」という番組内の1コーナーとして放送されています。