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ピーマンソングとママチャリ

2024.07.06

7月13日(土)14日(日)に、「にいかっぷふるさとまつり」が開催されます。会場はレ・コード館横の旧JR新冠駅前広場周辺。露店が並ぶビアガーデン会場のステージでは、新冠判官太鼓を始めとした郷土芸能、ダンスや歌謡ショーが披露されるそう。しかも、今年は5年ぶりに俵かつぎリレーも行われるそうで、その盛り上がりは今からとても楽しみです。

そんな祭りを目指して、いま一人の男が自転車を漕いでいます。

その方は、喜劇俳優のもりけんさん。祭りのステージでとある楽曲を披露するために、大阪から新冠に向かっています。その楽曲とは「たそがれピーマン」。もりけんさんの友人である音楽家のてつおさんが、昨年新冠を訪れたことがきっかけで誕生した楽曲です。

どんな経緯でこの曲が生まれたのか、なぜ自転車で新冠を目指すことになったのか。その理由を書いた文章を、てつおさんが寄稿してくれたので、まずはこちらをご覧ください。

はるばるきたぜ新冠へ。

さかまく波をのりこえて。(実際、大洗からのフェリーは大時化)

そんな懐メロ?を口ずさみながら、はじめまして新冠。

苫小牧から高速を抜け、海岸沿いを走る車からの風景はすごく穏やかなのに、前夜の波の影響でずっと頭の中が揺れていて吐きそう。しばらく走ると道の駅の看板とともに円形の展望塔が目について、そこで休憩することにした。

トイレを済ませ、レ・コード館という名のそれに向かって歩いていたら、途中の売店でピーマンの文字を見つけた。どうやらピーマンは新冠の特産物らしく、気持ちが上がる。というのもピーマンは私の大好物。そしてピーマンだけではなくピーマンソフトクリーム、ピーマンチップスという幸せ連打を浴びることになる。家族に流されるまま何となしに辿り着いたこの地に、愛するピーマンが根付いているなんてと勝手に運命を感じると同時に、ピーマンの語感にあわせた楽しげな鼻歌が生まれて、ひとまずレ・コード館に入るのをやめた。

いざ食べてみると、そのフルーティな食感に素直に感動した。

ピーマンってやっぱすげぇな。

ほんのり甘いし苦手な子供も食べれるはず。

この優しさ溢れるピーマンがみんなのお口に届いてほしい。

ふつふつと湧いてくる独善的使命感。

ほどなく、楽曲【たそがれピーマン】ができあがるわけである。

東京に戻ってからも、あの日のピーマンが頭から離れなかったから、友人のもりけんに電話して新冠に「ピーマン食べに行こうよ。」と誘ってみた。

もりけんは喜劇俳優をしていて、一度は一線から退いたけど、最近、俳優活動をリスタートしようとしているナイスガイである。

誘いには前向きな返答だったけど、リスタートに全力を注ぐもりけんは収入源を削ってしまったせいで飛行機に乗るお金がないとのこと。とっさに、10年くらい前もりけんがママチャリで日本を縦断しながら笑いを届けていたことを思い出したから、「初心に還るためにも、もりけんはママチャリで行けばいいんじゃない?」と、リスタートを絡めたもっともらしい理由をつけてみたところ、意外と押し切れた。

ピーマンを食べに行きたいのもそうだったけど、実は新冠で生まれた【たそがれピーマン】をもりけんに現地で歌わせようという企みもあった。以前カラオケに行った時に、もりけんはなかなか歌心のあるやつだったから、この歌の語り手としてぴったりだろうなと思ったし、ピーマン食べながら聴く【たそがれピーマン】は最高だろうなという自己満足のためもちょっとあった。

喜劇俳優にも自分の持ち歌があった方がいいんじゃない?などと適当な理由をつけて、半ば強引に投げかけてみたら満更でもなさそうだったし‘、この歌を一人でも多くの人に聞いてもらうために、きちんとレコーディングし全国配信することにした。

こうして「ピーマン食べに行こうよ。」は、もりけんのカロリーを大きく消費するヘルシーな企画になっていった。

その時の電話はこんなかんじ↓

『もりけんが大阪からママチャリで新冠を目指し、ピーマン食べて歌手デビュー』プロジェクトのスタートである。

もりけんがペダルを漕ぎ始めたのは2024年3月24日。体力づくりを終えて、大阪から出発したのが2024年6月14日。

あれやこれやとこのプロジェクトをSNSで発信していると、新冠の人たちとも繋がりができてきたよともりけんから嬉しい連絡があった。

今こうして綴っているのも、もりけんがペダルを漕ぎだしてくれたからこそである。もりけんまじリスペクト。

そして、なんと新冠ふるさとまつりのステージで【たそがれピーマン】を披露できるとのこと。なんかすごいことになってきた。新冠まじ感謝。

ピーマンってやっぱすげぇな。

この投稿がポストされる頃も、もりけんは新冠を目指してどこかをママチャリで走っていることだろう。

見つけたら応援よろしく。

音楽家 てつおP

てつおさんを新冠に連れてきたのは、Hi-MAG編集部の御徒町凧。そんなご縁もあって、Hi-MAGとしても、もりけんさんを応援したいなと思っています。

インスタグラムを拝見したところ、もりけんさんは順調にペダルをこいで(フェリーにも乗って)先ほど苫小牧に上陸したようです。これから道内を巡って、13日(土)夜のステージに合わせて、新冠に到着予定という噂です。

「たそがれピーマン」楽しみですね。もりけんさんの続報については、Hi-MAGでもまたお伝えします!