道産詩賞 選考会の様子

たくさんの応募が集まった道産詩賞。いよいよこの週末に、受賞作を発表します。
124通もの応募作品をまとめて2月某日、札幌のとあるマンションの一室にて、御徒町凧と三角みづ紀さんによる選考会を行いました。23日の発表に先駆けて、その様子をレポートしていきます。

厳正なる選考を行うために、Xの投稿やメールでの応募などは敢えて見ずに、応募者の名前も 伏せた状態で行いました。真剣な面持ちの中、数時間に及ぶ選考の末、ついに受賞作品が決定!
今回受賞した作品以外にも、おしい!という作品や、ギリギリまで候補に留まっていた作品もかなり多く、候補だった作品が外れたかと思えば もう一度候補に返り咲いたり、横で見ていても手に汗握るような選考会となりました。
選考会が終わった後、お二人に選考会の感想や受賞作品、応募作品全体の印象について聞いてみました。

【道産詩として応募されてきた全125通の詩、選考してみてどんな印象でしたか?】
御徒町凧:「楽しかったね!そして勉強になった。こんなに集まると思ってなかったから ありがたいなと。想像していたよりも たくさん応募が来たから読むのが大変だったけど、でもそれは嬉しい悲鳴。どうしてもショーレースだから受賞者とそうじゃなかった人が生まれてるけど 個人的には「あ~良いな」と思う詩が沢山あったからそれを選びきれなかったというのは、やっぱりちょっと歯痒いものがあるなという実感がる。」

三角みづ紀:「テーマが『北海道』という事で、詩で取り上げるもの、風景や情景といったものが偏るかな?考えていましたが、集まった作品を読んでたらさまざまな発想があって驚きました。馬をユニークに描いたり、セイコーマートの詩があったりで、御徒町さんがおっしゃる嬉しい悲鳴をわたしも感じましたね。」

【今回、受賞した作品を読んだ時の印象や心境はどうでしたか?】
御徒町凧:「相応しいなという感じがしたね、受賞作には道産詩賞としての顔になるような雰囲気があって、俺の中でそういう風に思える詩が無かったら困るだろうなって選考会をやる前に思ってて、それをちゃんと超えてきたというか、詩そのものに世界観もあったし北海道で感じたエネルギーみたいなものがあったから、他の詩のショーレースとかにはない〈道産詩賞〉としてのオリジナリティも作品がちゃんと担保してくれた。これは受賞作に限らないんだけど。そして良いなと思うものは文体があるものだなと思った。その作者と作品の関係性とか作品の中に流れているエネルギーみたいなもの、【軸】みたいなものがちゃんとその作品の中にあって、これは批評する時にいつも思うんだけど、良いこと言っても悪い事言っても、影響を与えてしまう って言うか、それはあんまり望むところではなくて、その人はその人の見えてるものとか成長速度の中で詩と向き合っていければ良いのだけれど。人から変に影響を受け過ぎてしまうと【軸】がどんどん無くなっていって、そうすると『なんで詩書いてんだっけ?』って根本原理からどんどん遠のいていっちゃうから、詩をこういう立場で批評するっていうのは凄く諸刃の剣だなと思いつつも、特に受賞した作品達にはそれぞれ個性的な詩が選ばれたと思うんだけど、それぞれにちゃんと世界観があるから良かったかな。我々は今回、道産詩賞を通じて応募者達に出会えたっていう純粋な立場、選考会をしながら 楽しいな と思えたのはそこだった。こんな事でもしなきゃ中々 出会えなかった詩であり詩人達だから。」

三角みづ紀:「道産詩賞は、もうこれしかないと思って。御徒町さんも同じ感覚で嬉しかったです。こうやってふたりでひとつひとつの作品の良さを語り、考えを合わせて選べたことも今回の選考の喜びでもありました。意見を述べて、聞いて、納得するって、信頼関係がないとできないことだと考えていて。話し合うことで、詩の良さ自体を確信することもあって。御徒町さんと一緒に、道産詩賞の選考委員をつとめることそのものがわたしにとっては大切な時間になったというか。でもそれって、集まった詩篇の魅力のおかげなんですね。とくにわたしは、自分から出てこない詩の言葉に出会えるとしあわせです。そういった作品がしっかり受賞した、とも思ってます。」

【選考会そのものについての感想は?】
三角みづ紀:「道産詩賞、日高賞、審査員特別賞の3つがあることは大きな特徴だと感じました。とりわけ日高賞は他にはない賞だと思います。『道産詩賞』というもののなかに3つの賞があるって、応募作品を読む際に視野が広がる感覚があるんです。あと、先に述べましたが、御徒町さんとふたりで選ぶ過程が良かった。詩というものが広がっていく感覚がありました。実は厳密なルールがはじめはなかったので、募集開始時はXのハッシュタグで作品を読んでいたのだけれど、それもやめて。誰が書いたかわからないなかで、この日に話し合って選びたいなと考えて。わたしもたくさんの気づきが得られました。第二回 道産詩賞が実現したら是非また参加したいです。」

【今回応募してくれた方々には、次回もまた是非 参加してほしいですね】
御徒町凧:「そう思うものもいっぱいあった。自分は先生でも講師でも何でもないけど、一応ずっと詩も書いてきてるし沢山 詩も見てきているので、もっとこうすれば良いのになとか、色々と感じるところはあるんだけれど総じて〈書いて書いて疑って書いて破って〉みたいな事を繰り返している内に、自分の理想の表現っていうのにちょっとずつ近づいていくもので、気付けば30年以上詩を書いていて、未だに日々 発見や気付きがあるわけで、最後の息絶える時まで続くんだろうなっていう実感があって。今回の作品の中でもやっぱり何作か、体感とか五感とかフィジカルみたいな全体感で書けてるものがあるなっていうのも感じた。それは、ずっとやっている事で気づけた事ばかりだったなと改めて思った。なので是非また参加してほしいね。」

道産詩を切っ掛けに詩を書く人がどんどん生まれてくれたら嬉しいですね!
そんな第1回 道産詩賞 の発表は3月23日。札幌中央区にある「俊カフェ」さんにて、奏詩会vol.2で行います。奏詩会の内容についてはコチラから。
当日は、インスタライブも行います。遠方で会場に来れない方は、ぜひそちらからご参加を!
それでは、皆様。発表をお楽しみに!
